技術情報
TECHNICAL INFORMATION
ラックギヤ・歯研ラック・各種歯車に関する
基礎知識や、製作をご検討の際に役立つ情報をご紹介します。
SPUR GEAR BASICS
平歯車とは?仕組み・特徴・用途・使用例
平歯車は、円筒の外周に軸と平行な歯を持つ、 最も基本的な形状の歯車です。
互いに平行な軸の間で回転と動力を伝えるために使用され、 産業機械や搬送設備、各種装置の駆動部など、 幅広い機械用途で採用されています。
本記事では、平歯車の構造と回転伝達の仕組み、特徴、 産業機械・搬送装置・減速機などでの用途・使用例、 製作をご検討の際に確認したい項目をわかりやすく解説します。
WHAT IS SPUR GEAR
平歯車とは
平歯車は、歯すじが軸方向に対して平行に設けられた円筒歯車です。 英語では「Spur Gear」と呼ばれます。
二つの平歯車をかみ合わせることで、 一方の軸の回転をもう一方の軸へ伝達できます。 歯数の組み合わせにより、回転速度や伝達トルクを調整することも可能です。
構造が分かりやすく、設計や製作の基本となる歯車のため、 さまざまな機械装置で使用されています。
01
歯すじ
軸に対して平行な歯を持つ02
軸の関係
平行な軸間で回転を伝達03
用途
各種機械の駆動部に使用04
特徴
基本的で幅広く使われる歯車STRUCTURE AND MOTION
平歯車の構造と動力伝達の仕組み
平歯車は、歯車同士の歯がかみ合うことで回転を伝えます。 一方の歯車が回転すると、かみ合った相手側の歯車は 反対方向へ回転します。
駆動側と従動側で歯数を変えることで、 回転速度を落としてトルクを大きくしたり、 反対に回転速度を高めたりする設計が可能です。
正しくかみ合わせるためには、 モジュールや圧力角などの歯の条件を合わせる必要があります。
DRIVE GEAR
駆動側歯車
回転を入力DRIVEN GEAR
従動側歯車
回転を伝達GEAR RATIO BASICS
平歯車の速比・回転数の基本
速比 = 従動側歯車の歯数 ÷ 駆動側歯車の歯数
駆動側
従動側
速比
回転数の例
20歯
40歯
2:1
1000 rpm → 500 rpm
30歯
60歯
2:1
1200 rpm → 600 rpm
40歯
20歯
0.5:1
500 rpm → 1000 rpm
上記は歯数と回転数の関係を示す基本例です。 実際の設計では、モジュール、圧力角、中心距離、トルク、強度、バックラッシなどもあわせて確認します。
FEATURES
平歯車の主な特徴
01
構造がシンプル
歯すじが直線状で構造が分かりやすく、 各種機械の駆動部で広く使用されています。
02
平行軸間で動力を伝達
平行に配置された軸の間で、 回転や動力を伝える用途に適しています。
03
幅広い用途に対応
装置の駆動部、搬送機構、減速機構など、 多様な用途で検討されます。
04
仕様の検討がしやすい
歯数、モジュール、材質、追加工など、 用途に応じた仕様確認が可能です。
MATERIAL AND HEAT TREATMENT
平歯車の材質・熱処理を選ぶときの考え方
平歯車の材質は、荷重、回転数、使用頻度、必要寿命、使用環境、追加工などを確認して選定します。 摩耗や耐久性が重視される場合は、材質だけでなく熱処理や歯面仕上げも含めて検討します。
GENERAL USE
一般的な機械用途
一般的な駆動・伝達用途では、強度と加工性のバランスを見ながら、 S45C系などの炭素鋼を候補として検討する場合があります。
HIGH LOAD / WEAR
高負荷・耐摩耗用途
荷重が大きい場合や長寿命が求められる場合は、 SCM系などの合金鋼や、焼入れ・浸炭焼入れなどの熱処理を含めて検討します。
ENVIRONMENT
腐食・使用環境への対応
水分や湿気など腐食への配慮が必要な環境では、 SUS系などの材質や表面処理を候補として、強度・加工性とあわせて確認します。
同じ材質でも、歯数、モジュール、歯幅、回転数、荷重、熱処理条件によって必要な仕様は変わります。 相手歯車との組み合わせを含めて確認することが重要です。
COMPARISON
平歯車と他の代表的な歯車との違い
歯車は、軸の配置や必要な動きに応じて種類を選定します。 平歯車は、平行な軸間で回転を伝える基本的な歯車です。
歯車の種類
歯の特徴
主な用途・考え方
平歯車
軸に平行な直線状の歯
平行軸間での基本的な回転伝達
はすば歯車
歯すじが斜め
滑らかな回転伝達が求められる場合に検討
かさ歯車
円すい形状の歯車
交差する軸間で回転を伝える場合に使用
ラックギヤ
直線状に並んだ歯
回転運動と直線運動の変換に使用
APPLICATIONS AND EXAMPLES
平歯車の用途・使用例
平歯車は、平行な軸の間で回転を伝える機構として、 産業機械から搬送装置、減速機、補修部品まで幅広く使用されています。 実際の選定では、回転数、トルク、取付スペース、使用環境を確認します。
01
産業機械の駆動部
モーターから装置内部へ回転を伝える、 基本的な駆動機構に使用されます。
02
搬送装置・コンベヤ
コンベヤ、移載装置、送り機構など、 一定の回転を伝える部分で使用されます。
03
減速機・増速機
駆動側と従動側の歯数を変え、 回転速度と伝達トルクを調整します。
04
包装機械・印刷機械
複数の軸を一定のタイミングで動かす機構や、 装置内部の回転伝達に用いられます。
05
ラック用ピニオンギヤ
ラックギヤと組み合わせ、 回転運動を直線運動へ変換する用途で使用されます。
06
交換部品・補修部品
既存装置の摩耗・破損した歯車について、 図面や現物を確認しながら製作可否を検討します。
CHECK POINTS
平歯車の製作で確認したい項目
平歯車を製作する際は、相手歯車とのかみ合いや使用条件に応じて、 寸法・材質・追加工などを確認します。
モジュール・歯数
相手歯車とのかみ合いや速比に関係します。
外径・歯幅
装置スペースや必要な伝達条件を確認します。
材質・熱処理
荷重や耐摩耗性、使用環境に応じて検討します。
穴・キー溝
軸への取付方法に応じた加工内容を確認します。
精度・仕上げ
動作条件や必要精度に応じて仕様を確認します。
OUR SUPPORT
平歯車の製作・歯切り加工をご検討の方へ
図面に基づく平歯車・ピニオンの製作から、支給材・ブランクの歯切り加工までご相談いただけます。試作・小ロット・継続生産品について、数量と仕様に応じて対応可否をご案内します。
01
平歯車の歯切り加工
図面に合わせた平歯車・ピニオンの製作について確認します。02
穴加工・キー溝の確認
軸への取付条件に合わせた加工内容を確認します。03
支給材の歯切り加工
支給ブランクの材質・硬度・基準・形状を確認し、歯切り可否を検討します。04
協力工場との連携
歯車歯研が必要な場合もご相談いただけます。お見積りに必要な情報
図面・材質・数量・希望納期・支給材の有無
支給材の場合は、完成図面とブランク図面、硬度・熱処理状態、材料到着予定日もお知らせください。形状や加工基準を確認して、歯切り可否を判断します。
FAQ
平歯車についてよくある質問
Q支給材で平歯車の歯切り加工だけ依頼できますか?
材質・硬度・熱処理状態・ブランク形状・加工基準などを確認し、対応可否を判断します。完成図面と支給時のブランク図面、数量、希望納期をお送りください。支給前に加工条件をご相談ください。
Q試作や小ロット、継続生産品も相談できますか?
試作1個から、小ロットや継続生産品までご相談いただけます。数量・材質・加工内容・希望納期を確認して、製作可否とお見積りをご案内します。
Q 平歯車とはどのような歯車ですか?
円筒の外周に、軸と平行な歯を持つ歯車です。 主に平行な軸の間で回転や動力を伝えるために使用されます。
Q 平歯車はどのようなところで使われていますか?
産業機械の駆動部、搬送装置、コンベヤ、減速機、包装機械、 ラック用ピニオンギヤ、交換・補修部品など幅広い用途で使用されています。
Q 平歯車とはすば歯車の違いは何ですか?
平歯車は歯すじが軸と平行であるのに対し、 はすば歯車は歯すじが斜めに設けられています。 用途、回転速度、荷重、静粛性などの条件に応じて選定します。
Q 相手歯車と合わせるには何を確認しますか?
モジュール、圧力角、歯数、中心距離、歯幅などを確認します。 既存の相手歯車がある場合は、図面や現物情報をご提示ください。
Q 穴加工やキー溝加工を含めて相談できますか?
図面や取付条件を確認したうえで、 穴加工、キー溝、止めねじ穴、段加工などを含む仕様について対応を検討します。
Q 図面がない平歯車も相談できますか?
現物、写真、使用装置、相手歯車、必要数量などの情報から確認できる場合があります。 分かる範囲の資料をご用意ください。
Q 歯研が必要な平歯車も相談できますか?
歯車の歯研加工が必要な場合は、 必要精度や用途を確認し、協力工場との連携により対応を検討します。
Q 平歯車の材質はどのように選びますか?
荷重、回転数、使用頻度、必要寿命、使用環境などを確認しながら材質を検討します。 摩耗や強度が重視される場合は、熱処理や歯面仕上げも含めて確認します。
Q 平歯車の摩耗が早い原因には何がありますか?
潤滑不足、歯当たりや中心距離のずれ、過大な荷重、材質や硬度の組み合わせ、 バックラッシや取付精度などが影響する場合があります。 原因は一つとは限らないため、現物の摩耗状態と使用条件をあわせて確認します。
