ラックギヤ・歯研ラック・各種歯車加工に関するご相談は、お問い合わせフォームまたはお電話より承っております。

CPラック&ピニオンの移動距離は?1回転の計算方法と製作時の確認ポイント

技術情報

TECHNICAL INFORMATION

ラックギヤ・歯研ラック・材質・加工・熱処理に関する
基礎知識や、製作をご検討の際に役立つ情報をご紹介します。

R-14

CP RACK & PINION TRAVEL DISTANCE

CPラック&ピニオンの移動距離は?1回転の計算方法と製作時の確認ポイント

CPラックギヤ(Circular Pitch/サーキュラーピッチ)とピニオンの理論移動距離は、「CP値 × ピニオン歯数 × 回転数」で求められます。

たとえばCP10のラックと20歯のピニオンを組み合わせると、ピニオン1回転あたりのラックの理論移動距離は200mmです。

本記事では、回転角度からの計算、CP値・歯数別の比較、製作時に確認したい図面仕様を整理します。

ONE REVOLUTION / THEORY

CP10 × 20歯ピニオン1回転
→
200mmラックの理論移動距離

CALCULATION FORMULA

CPラックの移動距離を求める計算式

CP(円ピッチ)は、隣り合う歯の対応点間の距離をmmで表した値です。標準的な直歯のラック&ピニオンが正しくかみ合い、すべりのない理想条件では、以下の式で計算できます。

移動距離の基本式

L(mm)= CP(mm)× Z(歯数)× N(回転数)

L:ラックの理論移動距離 CP:円ピッチ Z:ピニオン歯数 N:ピニオン回転数

ピニオンが1回転すると、歯数Zの分だけ歯が送り出されます。1歯あたりの送り量がCPですので、1回転の理論移動距離は「CP × Z」となります。

移動距離から必要回転数を求める場合は、N=L ÷(CP × Z)です。

01

CP値

円ピッチ(mm)

02

歯数 Z

ピニオンの歯数

03

回転数 N

1回転・2.5回転など

04

移動距離 L

ラックの理論移動量(mm)

回転角度(θ)から求める場合

L(mm)= CP × Z × θ ÷ 360°

θ:ピニオンの回転角度(度)。たとえば90°は1/4回転、180°は1/2回転です。

CALCULATION EXAMPLES

CP10・20歯の計算例とCP値別比較

360° / 1 REVOLUTION

1回転

200mm

CP10 × 20歯 × 1回転

180° / HALF TURN

180°回転

100mm

CP10 × 20歯 × 180/360

90° / QUARTER TURN

90°回転

50mm

CP10 × 20歯 × 90/360

次の表は、各CP値とピニオン歯数を仮定した理論値の比較です。保有カッターの全サイズについて製作可能性を保証する表ではありません。

CP値

ピニオン歯数

回転数

理論移動距離

CP2

20歯

1回転

40mm

CP5

20歯

1回転

100mm

CP10

20歯

1回転

200mm

CP10

30歯

1回転

300mm

CP20

20歯

1回転

400mm

上記は理論上の移動量です。バックラッシ、歯形誤差、取付誤差、荷重による変形などを含めた実際の位置決め精度とは異なります。

DESIGN CHECK POINTS

CPラック&ピニオンの製作時に確認したいこと

理論移動距離が一致していても、実際にかみ合うとは限りません。図面では少なくとも次の仕様を確認します。

01

CP値・規格

円ピッチ、歯形、直歯・はすばを確認。

02

圧力角

ラックとピニオンで一致させる。

03

歯数・歯幅

必要移動量、負荷、取付条件を確認。

04

取付・バックラッシ

中心距離、かみ合い状態、遊びを確認。

05

材質・精度

材質、熱処理、必要精度を確認。

STANDARD

CPとモジュールの関係

標準的な直歯歯車では、円ピッチCP=π×モジュールmの関係です。CP10はモジュール約3.183に相当しますが、数値の換算だけで互換性は判断できません。

CPモジュール

MATING GEARS

既製CPラックとの組合せ

既製品に合わせる場合は、メーカー・型番・CP値・圧力角・歯形などを確認します。既存ラックの仕様が不明な場合は図面や現物の情報が必要です。

相手ラックCPピニオン

ACCURACY

位置決め精度と移動距離

計算で求められるのは理論移動量です。繰返し精度やバックラッシ、ラックの取付直線性は別に検討します。

バックラッシ取付精度

ヘリカルラックなどの特殊歯形では、CPの定義方向やねじれ角によって設計上の扱いが変わる場合があります。直歯の基本式をそのまま適用せず、使用図面の基準を確認してください。

MANUFACTURING CONSULTATION

CPラックギヤ・ピニオン製作をご相談いただく際の情報

三橋歯車製作所では、CPラックギヤの歯切り加工と、組み合わせるラック用ピニオンギヤの製作についてご相談いただけます。

CP値・圧力角・歯数・歯幅・材質・取付部寸法・数量・希望納期などを確認し、図面仕様に応じて対応可否をご案内します。

CPラック&ピニオンの製作を相談する
01

CP値・圧力角

02

ピニオン歯数・歯幅

03

ラック寸法・歯形

04

材質・熱処理

05

取付部・必要精度

06

数量・希望納期

FAQ

CPラックの移動距離についてよくある質問

QCP10・20歯のピニオンが1回転すると何mm動きますか?
A

標準的な直歯の理想条件では、CP10×20歯=200mmです。これは理論値であり、実際の位置決め精度を示すものではありません。

Q90°回転や180°回転の移動距離も求められますか?
A

はい。CP×歯数×(回転角度÷360°)で計算できます。CP10・20歯の場合、90°で50mm、180°で100mmです。

QCPラックとモジュールラックは同じものですか?
A

標準直歯ではCP=π×モジュールの関係があります。ただし、かみ合いには圧力角や歯形などの仕様も一致させる必要があります。

QCP値が同じなら、異なるメーカーのピニオンでも使えますか?
A

CP値だけでは判断できません。圧力角、歯形、寸法、取付条件など、ラックとピニオンの仕様を確認してください。

Q既製CPラックに合わせたピニオンのみの製作も相談できますか?
A

はい。ラックのメーカー・型番・図面等と、希望するピニオンの歯数・取付寸法などを確認したうえでご相談を承ります。

目次