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焼入れした歯車はなぜ歪む?熱処理後の変形と仕上げ加工

技術情報

TECHNICAL INFORMATION

ラックギヤ・歯研ラック・材質・加工・熱処理に関する
基礎知識や、製作をご検討の際に役立つ情報をご紹介します。

M-11

DISTORTION AFTER HARDENING

焼入れした歯車はなぜ歪む?熱処理後の変形と仕上げ加工

歯車は焼入れによって硬度や耐摩耗性を高められますが、熱処理後に反り・寸法変化・振れなどの変形が生じることがあります。

変形の大きさは、材質、形状、肉厚差、熱処理方法、前加工の状態などによって変わります。特に薄肉形状や長尺品、左右非対称形状では影響が出やすい場合があります。

そのため、高精度が必要な歯車では、焼入れ後に研削・歯研・仕上げ加工を行う前提で工程を設計することがあります。

HEAT TREATMENT FLOW

焼入れ前素材・前加工・歯切り
→
焼入れ後変形確認・研削・仕上げ

DISTORTION BASICS

焼入れ後の歪みとは?

焼入れでは、加熱と冷却によって材料内部の組織や寸法状態が変化します。

このとき、部品全体が均一に変化するとは限らず、形状や肉厚、冷却状態の差によって反り・振れ・寸法変化が発生することがあります。

熱処理前の加工残留応力も影響するため、「加工時には寸法内だったが、焼入れ後に変化した」ということもあります。

01

反り

全体が曲がる・ねじれる

02

寸法変化

外径・穴径等が変化

03

振れ

穴・歯部・端面の関係変化

04

歯形変化

高精度品では仕上げが重要

CAUSES OF DISTORTION

熱処理後の変形に影響する主な要因

焼入れ歪みは一つの原因だけで決まるものではなく、材料・形状・工程が複合して影響します。

要因

確認する内容

影響例

材質

S45C、SCM系など

熱処理特性・硬化性が異なる

形状

薄肉、長尺、非対称、段差

反り・ねじれが出やすい場合がある

肉厚差

ボス、リム、穴周辺など

加熱・冷却差が出る

前加工

切削量、残留応力、基準

熱処理後に寸法が変化することがある

熱処理方法

高周波焼入れ、浸炭焼入れ等

処理範囲・冷却条件が異なる

実際の変形量を一律に予測することは難しいため、必要精度が高い場合は熱処理後の仕上げ代や検査工程を含めて設計します。

FINISHING PROCESS

焼入れ後に行う主な仕上げ加工

熱処理後の変形を前提として、必要な精度箇所だけ仕上げる方法があります。

GRINDING

内径・外径・端面研削

穴径、外径、端面など、高精度が必要な基準部を研削して寸法や振れを仕上げます。

研削内径端面

GEAR GRINDING

歯研

歯面精度が必要な歯車では、焼入れ後に歯研を行い、歯形・歯すじ・ピッチ精度を仕上げる場合があります。

歯研歯形精度

INSPECTION

熱処理後の検査

硬度、寸法、振れ、必要に応じて歯車精度を確認し、図面要求を満たしているか検査します。

硬度振れ検査

COMMON CASES

焼入れ歪みを考慮したい主なケース

01

薄肉歯車

肉厚が薄く変形の影響を受けやすい。

02

ボス付き歯車

肉厚差・非対称形状を確認。

03

高精度歯車

焼入れ後の歯研・研削を検討。

04

長尺ラック

全長の反り・真直度を確認。

CHECK POINTS

熱処理を指定するときに確認したい項目

材質・硬度だけでなく、どこをどの精度で仕上げるかまで図面で確認します。

01

材質

S45C、SCM系など。

02

熱処理

種類、処理範囲。

03

硬度

指定値・範囲。

04

仕上げ箇所

穴、端面、歯面。

05

必要精度

公差、振れ、歯車精度。

CONSULTATION POINTS

焼入れ・仕上げ加工をご相談いただく際の情報

焼入れを含む歯車・ラックギヤをご相談いただく場合は、材質、熱処理方法、硬度、処理範囲、必要精度、仕上げ箇所が分かる図面をご提示ください。

熱処理後の研削・歯研については、材質、硬度、歪み、研削代、寸法、必要精度、追加工等を確認したうえで対応可否を判断します。

焼入れ・仕上げ加工について相談する›
01

材質

02

熱処理方法・範囲

03

硬度

04

仕上げ箇所・研削代

05

必要精度・公差

06

数量・希望納期

FAQ

焼入れ後の歯車の歪みについてよくある質問

Q焼入れすると歯車は必ず歪みますか?
A

変形の程度は材質、形状、肉厚、熱処理方法などによって異なります。高精度が必要な場合は熱処理後の仕上げを考慮します。

Q焼入れ後に穴径が変わることはありますか?
A

熱処理によって寸法変化が生じる場合があります。必要精度が高い穴は、焼入れ後の研削仕上げを検討することがあります。

Q焼入れ後に歯面を研削できますか?
A

材質、硬度、歪み、研削代、寸法、必要精度などを確認したうえで対応可否を判断します。

Q高周波焼入れと浸炭焼入れで歪み方は違いますか?
A

処理範囲、加熱・冷却方法、材質などが異なるため、変形の出方も同じではありません。図面仕様と用途に応じて検討します。

Q長尺ラックも焼入れ後に反ることがありますか?
A

長尺形状では熱処理や前加工の影響で反りが生じる可能性があります。必要真直度や仕上げ方法を含めて工程を検討します。

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