技術情報
TECHNICAL INFORMATION
ラックギヤ・歯研ラック・各種歯車に関する
基礎知識や、製作をご検討の際に役立つ情報をご紹介します。
GEAR PITCH BASICS
モジュール・CP・DPの違いをやさしく解説
ラックギヤや平歯車などを検討する際、 図面や既存品の仕様に「モジュール」「CP」「DP」といった 表記が記載されていることがあります。
これらはいずれも歯の大きさや間隔に関係する指標ですが、 表し方や単位の考え方が異なります。 相手歯車とのかみ合いや交換品の確認では、特に重要な項目です。
本記事では、モジュール・CP・DPの基本的な意味と違い、 製作相談時に確認しておきたいポイントをわかりやすく解説します。
THREE STANDARDS
モジュール・CP・DPは何を表すものか
いずれも歯の大きさや間隔に関係する指標ですが、 基準となる考え方や使われ方が異なります。
MODULE
モジュール m
基準円直径を歯数で割った値で、 ミリ系の歯車・ラックギヤで広く使用される基準です。
m = 基準円直径 ÷ 歯数
CIRCULAR PITCH
CP 円ピッチ
隣り合う歯の同じ位置までの円周方向の間隔です。 CPラックでは、移動量を考えやすい仕様として用いられます。
CP = π × m
DIAMETRAL PITCH
DP 直径ピッチ
基準円直径1インチあたりの歯数を表す指標です。 インチ系仕様の歯車で使用されます。
DP = 25.4 ÷ m
同じような外形に見える歯車・ラックギヤでも、 モジュール・CP・DPの基準が異なると、相手部品とかみ合わない場合があります。 交換品や追加製作では、図面記載の基準を確認することが重要です。
MODULE
モジュールとは
モジュールは、歯車の歯の大きさを表す代表的な基準です。 記号では「m」と表され、数値が大きいほど歯も大きくなります。
平歯車やラックギヤなど、 国内で一般的に使用されるミリ系の歯車仕様では、 モジュールによる指定が多く見られます。
かみ合う歯車やラックギヤでは、 モジュールだけでなく、圧力角や歯形などの条件も合わせて確認する必要があります。
01
歯の大きさ
数値が大きいほど歯も大きくなる02
基準円直径
歯数との関係で寸法を確認03
相手部品
ピニオンやラックとの条件確認04
図面表記
m1、m2、m3 などで指定CP AND DP
CPとDPの違い
CIRCULAR PITCH
CP:円ピッチ
CPは、隣り合う歯の間隔を円周方向の長さで表す基準です。 CPラックでは、ピニオン1回転あたりの移動量を扱いやすくする目的で 用いられることがあります。
- 円周方向の歯の間隔を表す
- CPラック・CPピニオンで用いられる
- モジュールとの関係は CP = π × m
DIAMETRAL PITCH
DP:直径ピッチ
DPは、基準円直径1インチあたりに何枚の歯があるかを表す基準です。 モジュールとは逆に、DPの数値が大きいほど歯は小さくなります。
- インチ系の歯車仕様で使用
- DP値が大きいほど歯は小さくなる
- モジュールとの関係は DP = 25.4 ÷ m
CPとDPは名称が似ていますが、同じ基準ではありません。 CPは円周方向のピッチ、DPはインチ直径あたりの歯数を表します。 既存品の交換や相手部品とのかみ合い確認では、表記を取り違えないことが重要です。
COMPARISON AND CONVERSION
モジュール・CP・DPの違いと換算の考え方
項目
モジュール(m)
CP(Circular Pitch)
DP(Diametral Pitch)
表すもの
基準円直径と歯数の比
歯の円周方向の間隔
直径1インチあたりの歯数
主な単位の考え方
mm
mmで示されるCPラック仕様など
インチ基準
数値と歯の大きさ
数値が大きいほど歯が大きい
数値が大きいほど歯間隔が大きい
数値が大きいほど歯が小さい
確認される場面
国内の一般的な歯車・ラック
CPラック・移動量を意識する設計
インチ系既存品・海外仕様
CONVERSION FORMULA
換算式の基本
モジュールとCP
CP = π × m m = CP ÷ πモジュールとDP
DP = 25.4 ÷ m m = 25.4 ÷ DPCPとDP
CP × DP = 25.4 × π CPをmmで扱う場合例
モジュール
CP
DP
例 01
m1
約 3.1416 mm
25.4
例 02
m2
約 6.2832 mm
12.7
例 03
m3
約 9.4248 mm
約 8.4667
CPラック例
約 m3.1831
CP10 mm
約 7.9796
換算値だけで交換品の可否を判断するのではなく、 圧力角、歯形、歯幅、取付条件、必要精度などもあわせて確認する必要があります。
SELECTION POINTS
ラックギヤ・歯車の選定時に確認したいポイント
01
図面の基準表記
モジュール、CP、DPのどの基準で指定されているかを確認します。
02
相手部品とのかみ合い
ピニオンや既存ラックとの組み合わせ条件を確認します。
03
圧力角・歯形
同じ換算値でも、歯形条件が異なる場合は使用できません。
04
用途と必要精度
送り機構、位置決め、切断装置など、用途に応じて確認します。
CONSULTATION POINTS
製作をご相談いただく際に確認したい情報
ラックギヤや歯車の製作では、 モジュール・CP・DPの表記だけでなく、 相手部品や使用用途を確認することが重要です。
既存品の交換、海外仕様品、図面に複数の単位表記がある場合も、 図面や現物情報をもとに対応可否を検討します。
ラックギヤ・歯車の製作相談はこちら ›図面・現物・写真の有無
モジュール・CP・DPの表記
歯数・圧力角・歯幅
相手歯車・ピニオンの情報
使用する装置・用途
必要精度・追加工・数量
FAQ
モジュール・CP・DPについてよくある質問
Q モジュールとCPは何が違いますか?
モジュールは基準円直径を歯数で割った値で、 CPは隣り合う歯の円周方向の間隔を表します。 CPをmmで扱う場合、CP = π × モジュールの関係になります。
Q DP仕様の歯車をモジュール仕様へ置き換えできますか?
数値上の換算は可能ですが、 実際の置き換えには圧力角、歯形、相手部品、寸法条件などの確認が必要です。
Q CP10のラックギヤはモジュールいくつですか?
CPをmmの円ピッチとして扱う場合、 CP10 ÷ π により、モジュールは約3.1831となります。
Q 図面にモジュールやCPの記載がない場合でも相談できますか?
現物、写真、相手部品、使用する装置などの情報を確認しながら、 対応可否を検討できる場合があります。
