技術情報
TECHNICAL INFORMATION
ラックギヤ・歯研ラック・各種歯車に関する
基礎知識や、製作をご検討の際に役立つ情報をご紹介します。
GEAR & RACK BACKLASH
歯車・ラックギヤのバックラッシとは?大きすぎる・小さすぎる場合の影響
バックラッシとは、かみ合う歯車の歯面間に設けるすきまのことです。 平歯車同士だけでなく、ラックギヤとピニオンの組み合わせでも重要な調整項目になります。
バックラッシが大きすぎると反転時のガタや位置ずれ、打音につながることがあります。一方、小さすぎると、かみ合いがきつくなり、発熱、摩耗、回転・移動不良などの原因になることがあります。
適切なバックラッシは、モジュール、精度、負荷、速度、材質、熱処理、取付精度などによって変わるため、歯車単体ではなく装置全体の条件を確認することが重要です。
BACKLASH IMAGE
BACKLASH BASICS
バックラッシとは?歯車・ラックギヤでの考え方
バックラッシは、かみ合う歯車の歯面間に必要なすきまです。回転や直線移動を滑らかにし、歯車の製作誤差、取付誤差、温度変化などを吸収する役割があります。
平歯車では中心距離、ラックギヤではラックとピニオンの取付位置によって、実際のバックラッシが変化します。
そのため、図面上の歯車精度だけでなく、軸受けのガタ、取付面の平行度、ラックの真直度、相手ピニオンの状態も含めて確認します。
01
歯面すきま
かみ合いに必要な余裕02
反転動作
方向転換時のガタに影響03
取付精度
中心距離・平行度で変化04
使用条件
負荷・速度・温度も確認TOO LARGE / TOO SMALL
バックラッシが大きすぎる・小さすぎる場合の違い
バックラッシは小さいほど良いわけではなく、装置に必要な精度と滑らかなかみ合いのバランスが重要です。
状態
起こりやすい現象
確認したいポイント
大きすぎる
反転時のガタ、位置ずれ、打音
摩耗、取付ズレ、軸受け、中心距離
適正
滑らかな動作と必要精度を両立
用途、負荷、速度、必要精度
小さすぎる
動きが重い、発熱、異音、摩耗
中心距離、歯当たり、熱膨張、取付精度
位置決め用途でも、単純にバックラッシをゼロにするのではなく、機構・取付・制御方法を含めて検討する必要があります。
CHECKING POINTS
バックラッシに影響する主なポイント
歯車・ラックギヤの加工精度だけでなく、相手部品と取付状態まで確認することが重要です。
CENTER DISTANCE
中心距離・取付位置
平歯車では軸間距離、ラックギヤではラックとピニオンの距離がバックラッシに大きく影響します。
TOOTH CONTACT
歯当たり
片当たりや偏ったかみ合いがあると、局部摩耗や異音が発生し、バックラッシも安定しにくくなります。
WEAR & PLAY
摩耗・軸受けのガタ
歯面摩耗だけでなく、軸受けや取付部のガタによって見かけ上のバックラッシが大きくなることがあります。
TROUBLE CASES
バックラッシを確認したい主な症状
01
反転時にガタが出る
方向転換時に空走や位置ずれを感じる。
02
停止位置が安定しない
繰り返し停止位置にばらつきが出る。
03
異音・打音が出る
かみ合い時にカタつきや衝撃音が出る。
04
回転・移動が重い
組立後に動きが重く、発熱や摩耗が出る。
CHECK POINTS
バックラッシの相談で確認したい項目
ラック・ピニオンの両方と、装置側の取付条件が分かると原因確認や製作検討がスムーズです。
01
歯車仕様
モジュール、圧力角、歯数。02
相手部品
相手歯車・ピニオン。03
取付寸法
中心距離、ラック位置。04
必要精度
位置決め、反転、送り。05
使用条件
負荷、速度、温度、頻度。CONSULTATION POINTS
バックラッシ・かみ合いをご相談いただく際の情報
バックラッシは歯車単体だけでは判断しにくいため、相手歯車・ピニオン、軸、取付面を含めて確認します。
図面がある場合は両方の図面を、既存設備の不具合であれば、取付状態や摩耗状態が分かる写真もあわせてご提示ください。
バックラッシ・かみ合いについて相談する›ラック・歯車の図面
相手ピニオン・歯車
中心距離・取付寸法
必要精度
使用条件
現物写真・摩耗状態
FAQ
歯車・ラックギヤのバックラッシについてよくある質問
Qバックラッシは小さいほど良いですか?
小さすぎると、かみ合いがきつくなり、発熱、摩耗、動作不良などにつながる場合があります。用途と必要精度に応じた適正なすきまが必要です。
Qラックギヤのバックラッシはどこで調整しますか?
一般にはラックとピニオンの取付位置や距離で調整します。取付面の平行度、ラックの真直度、ピニオン軸位置もあわせて確認します。
Q使用中にバックラッシが大きくなることはありますか?
歯面摩耗、軸受けのガタ、取付部の緩み、相手歯車・ピニオンの摩耗などにより大きくなることがあります。
Q歯研ラックにすればバックラッシはなくなりますか?
歯研ラックは歯面を研削仕上げしますが、バックラッシは相手ピニオンや取付条件にも左右されるため、歯研ラックだけでゼロになるものではありません。
Qバックラッシが原因で異音や摩耗が起こることはありますか?
大きすぎる場合は打音や衝撃、小さすぎる場合は歯面負荷や発熱につながることがあります。歯当たり、潤滑、取付精度も同時に確認します。
